こんにちは。高杉建設株式会社「コス木あいち~大規模木造建築~」です。
最近、愛知県内で賃貸住宅のご相談をいただく際に、「木造でアパートを建てたい」という声がかなり増えてきました。
以前は鉄骨造が当たり前だったエリアでも、ここ数年で状況が変わっています。
背景にあるのは、建築費の上昇です。
特に中規模クラスの賃貸住宅では、鉄骨価格や基礎コスト、設備費の高騰が収益計画に大きく影響するようになりました。
その中で、「木造でどこまで対応できるのか」を真剣に検討されるオーナー様が増えています。
ただ、単純に「木造は安い」という話だけではありません。
実際の現場では、土地条件・戸数・利回り・融資・将来の出口戦略まで含めて考えないと、あとで想定外のコストが発生するケースもあります。
今回は、愛知県で木造賃貸住宅を計画する際に、現場で実際によく出る話を交えながら解説していきます。
木造アパートの相談が愛知県で増えている理由
ここ数年、愛知県では郊外エリアを中心に、木造アパートの計画がかなり増えています。
特に多いのは、以下のようなケースです。
- 相続土地を活用したい
- 遊休地の固定資産税負担を軽減したい
- 鉄骨で計画したが採算が合わなくなった
- 金融機関から木造提案を受けた
- 減価償却を活用したい
以前は「木造=戸建住宅」のイメージが強かったのですが、現在は技術基準や構造計算の整備も進み、2階建て・3階建てクラスの賃貸住宅で木造を選ぶケースが増えています。
特に愛知県は、名古屋市周辺だけでなく、尾張・西三河エリアでも賃貸需要が安定しています。
そのため、「初期投資を抑えながら収益化したい」という考え方と木造の相性が良いのです。
ただし、ここで注意したいのが、「単価だけで構造を決めないこと」です。
例えば、同じ延床面積でも、
- 間口が狭い土地
- 防火規制が厳しい地域
- 駐車場計画が難しい敷地
- 造成が必要な土地
では、木造でもコストが上がることがあります。
現場では「木造なら安くなると思っていた」というケースほど、計画後半で予算調整に苦労することが多い印象です。

実際に建築費へ影響するポイント
賃貸住宅の建築費は、単純な坪単価だけでは判断できません。
特に木造の場合、現場条件による差がかなり大きく出ます。
基礎工事の影響
愛知県でもエリアによって地盤状況は大きく違います。
沿岸部や埋立地周辺では、地盤改良費が大きくなるケースがあります。
木造は建物自体が軽いため、鉄骨より有利になることもありますが、それでも地盤補強が不要とは限りません。
実際には、地盤調査後に数百万円単位で予算が変わるケースもあります。
初期段階で概算だけを見て判断すると危険です。
防火地域の確認
愛知県内でも駅前エリアや市街地では、防火・準防火地域に該当するケースがあります。
この場合、木造でも耐火仕様が必要になり、
- サッシ
- 外壁仕様
- 石膏ボード
- 被覆材
などのコストが増えます。
現場では「木造なのに結局高くなった」という相談も少なくありません。
特に3階建ては法規条件によってコスト差が大きくなります。
間取り効率
収益物件では、延床面積だけでなく「どれだけ有効面積を取れるか」が重要です。
例えば、
- 階段位置
- 共用廊下
- PS配置
- 駐輪場動線
によって、同じ建築費でも収益性は変わります。
現場で見ると、設計初期でこの部分を詰め切れていない案件は、完成後に収支差がかなり出ています。
木造賃貸住宅で意外と見落とされる維持管理コスト
建築時の価格だけで判断すると、長期的に苦しくなることがあります。
特に賃貸住宅では、修繕計画が非常に重要です。
木造の場合、定期的なメンテナンスを前提に考える必要があります。
例えば、
- 外壁シーリング
- 防水
- 共用部塗装
- 屋根材更新
などです。
ただ、これは木造だけの話ではありません。
鉄骨でも、重量鉄骨でも、メンテナンス費用は発生します。
むしろ最近は、鉄骨価格高騰の影響で、初期投資を抑えられる木造のほうが、全体収支を組みやすいケースも増えています。
現場でオーナー様と話していると、最近は「満室経営」よりも、
「出口まで含めて安定運営できるか」
を重視される方が増えています。
その視点では、木造のバランス感はかなり良いと感じます。
減価償却を意識して木造を選ぶケースも増えている
最近は、税務面から木造を検討されるケースも増えています。
特に法人オーナー様からのご相談では、この話題はかなり多いです。
木造の賃貸住宅は、法定耐用年数が22年です。
一方で、事務所用途や店舗用途の木造建築も同じく22年、木造倉庫(一般用)は15年となります。
この違いによって、減価償却計画も変わります。
特に木造倉庫は、比較的短い期間で償却しやすいため、節税目的で検討されるケースがあります。
ただし、ここで重要なのは、節税だけで判断しないことです。
実際には、
- 将来売却しやすいか
- 修繕計画が成り立つか
- 融資条件と合うか
- エリア需要が継続するか
まで含めて考える必要があります。
特に愛知県は、エリアによって賃貸需要差がかなりあります。
駅距離・工場立地・大学・再開発などによって、同じ市内でも収益性は変わります。
現場では「土地があるから建てる」のではなく、「将来も運営できるか」を重視して計画することが重要です。

木造でも遮音対策はかなり重要
賃貸住宅で最もクレームにつながりやすいのが、音の問題です。
特に木造アパートでは、ここを軽視すると入居率へ影響します。
最近は入居者側もかなり比較しています。
SUUMOやホームズなどでも、遮音性に関する口コミを確認する方が増えています。
そのため、現場では以下の対策を重視するケースが増えています。
- 床遮音材
- 界壁仕様
- 二重床
- 天井懐の確保
- 配管経路調整
ここを削ると、後からかなり苦労します。
実際、「建築費を優先しすぎて空室対策費が増えた」という事例もあります。
木造はコストメリットがある反面、どこに予算を使うべきかの見極めが非常に重要です。
最近の現場で増えているのは「木造+共同住宅以外」の組み合わせ
以前は木造というとアパート中心でしたが、最近は用途の組み合わせも増えています。
例えば、
- 1階テナント+上階住居
- 事務所併用型
- 倉庫付き賃貸
- 店舗併設型
などです。
愛知県は製造業エリアも多いため、小規模事業者向けの需要もあります。
特に倉庫付き事務所系は、木造との相性が良いケースがあります。
木造倉庫は法定耐用年数15年という特徴もあるため、投資判断として検討されることがあります。
ただ、ここでも重要なのは「用途地域」と「建築基準法」です。
例えば、
- 接道条件
- 用途制限
- 駐車場条例
- 避難計画
によって、計画内容はかなり変わります。
初期段階で法規確認をせずに進めると、途中でプラン変更になるケースもあります。
実際の現場では、敷地調査と法規確認にかなり時間をかけています。
最後は「安さ」よりも運営できるかが重要
木造賃貸住宅のご相談を受けていると、「できるだけ安く建てたい」という話は必ず出ます。
もちろん、建築費を抑えることは大切です。
ただ、実際に長く運営されているオーナー様ほど、
「建てた後に困らないこと」
を重視されています。
例えば、
- 空室対策しやすいか
- 修繕しやすいか
- 管理しやすいか
- 将来売却しやすいか
こうした視点です。
愛知県は今後も人口集積エリアとそうでないエリアの差が大きくなっていく可能性があります。
高杉建設株式会社「コス木あいち~大規模木造建築~」では、木造賃貸住宅だけでなく、事務所・倉庫・店舗併用などのご提案を行っています。
「木造でどこまで可能なのか知りたい」
「鉄骨と比較して判断したい」
という段階でも大丈夫です。
計画初期の段階ほど、方向性によって総コストは大きく変わります。
愛知県で木造による賃貸住宅や事業用建築をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。






